パニック障害だけでなく、様々な病気を併発させてしまった体験談を紹介したいと思います。
精神病は併発してしまう場合があります。
この体験談から何か学んでくれることができたら嬉しい限りです。
パニック障害体験談
50歳の時に脳機能障碍者の施設で働いていました。
利用者とのコミュニケーションはうまくいっていたのですが、職員との関わりがどうしてもうまくいかない日々が続いていました。
ある時失禁してしまった利用者を家に送ってくれと言われてトイレに行くと、利用者さんはまだ後始末が終わっていない段階でした。
拭いてあげたいのでタオルをくださいと他の職員に頼んだところ、そんなことはいいから早く送ってくれと言われました。
その時は怒りを抑えたのですが、その利用者さんを送って行った後施設に戻ろうとした時に突然激しいめまいと息苦しさに襲われました。立っていられなくなり道に座り込んでしまったところを職員に助けられたのですが、動くことが出来ず道の脇に移動させてもらいそこで発作が治まるのを待ちました。
20分ほどで治まってからは家に帰るように言われて、何とか自宅まで車で辿り着く事が出来ました。
翌朝は問題なく起きる事が出来たので出勤しようと準備をしていました。
家を出ようとした時にまためまいと息苦しさがやってきてしまいました。
玄関で倒れこんだまま動けなくなり、そのまま30分くらいだったと思いますが目を閉じて休みました。
その時は意識はあるものの、現実感が無くなっていて時間の経過も分からなくなっていました。
これは何かの病気だろうと思い、施設には病院に行く旨を伝えました。
パニック障害とメニエール病を発病!さらにうつ病まで!
以前にも似たような発作を起こしたことがありましたのでとりあえずメニエールを治療してくれる耳鼻科を探して予約を入れました。
診療をしてもらったところメニエールとパニック障害とうつ病の診断でした。
うつとパニックについては専門医を紹介してもらいましたが、メニエールの治療もしなければならず途方に暮れてしまいました。
結果を施設に伝え長期療養が必要な事を伝えましたが、誰も私の病名について知る人がいなかったのが、脳症該者の施設として非常に残念な気がしました。
耳鼻科への通院を開始した直後はまだ車の運転も出来ていたのですが、紹介された精神科に車で行こうとした時にまたしても発作が起きてしまいました。
その時の発作はめまいと息苦しさに加えて、意識障害があり記憶が無くなるくらいの症状がありました。
車を路肩に停めたまでは覚えているのですがその後が空白になってしまったのです。
これには恐ろしくなってしまい、耳鼻科でその事を伝えて対策を相談しました。
耳鼻科医は専門ではなくても薬は処方できるからと言ってくれました。
それからは耳鼻科に通い、精神科で貰う薬を処方してもらいました。
しかしながら三ヶ月が過ぎても一向に良くなる気配はなく、それどころか新しい症状がどんどん増えて行きました。
その時点で復職をあきらめて、長期戦を覚悟しました。耳鼻科医からは我慢強く耐えるしかないと言われたのですが、一体いつまでかかるのだろうという不安で押しつぶされそうな日々でした。
耳鼻科医は知人の精神科医と連絡を取ってくれたらしく診療のたびに新しいアドバイスをくれました。
それだけが救いになっていたと思います。
その当時は既に一般の人との会話すら困難な状態にまでなってしまっていて、耳鼻科医に会いに行くのが仕事であり生きがいだと感じていました。
5年間の闘病生活を迎えて
三つの病気をいっぺんに直そうとしても無理だと思いましたが、一つ一つの病気に向き合う事も出来ず、ただ耳鼻科医のおかげで何とかしようとする心だけは残せたのでしょう。
発作が怖くて外出できない事は何とか克服する事が出来たのです。現在も精神科に通っておりますが、発症当時の苦しさから考えれば天国にいるような気がしています。
何か信じられるものが無かったらどうなっていたんだろうと今更ながらぞっとします。
耳鼻科医の存在が私を助けてくれたのだと感謝しています。