パニック障害は駅前のデパートで発症!

パニック障害体験談

私が初めてパニック障害の症状に襲われたのは、25歳の時でした。

その頃、私は東京都内のマンションに住みながら、駅前のデパートで施設管理の仕事をしていました。

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内容のほとんどは事務業ですが、合間に顧客対応もします。半年ほど前に所属する会社から異動を命じられて、その職場にやってきました。 

立地条件に恵まれたデパートということもあって、仕事は毎日多忙でした。
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またその職場は、人件費削減の意図によって常に人手不足で、私もたびたび現場に駆り出されていました。

なにしろ平日でもひっきりなしにお客さんが来ては、その分だけなんらかのトラブルが起きる。

私はもともと接客業には向いていない質でしたが、そんな悠長なこともいっていられない状況でした。

だから、いわれるがままに黙々と業務をこなしていました。  

変調の兆しが現れはじめたのは、勤務開始から一年目の秋のことでした。 

その日、私はいつも以上に混みあう店舗でふだん通りに仕事をしていました。

でもお昼の休憩で一息ついて、午後の仕事を再開するころに、急に息苦しさを感じて、なにかいつもとは違う疲労感というか、少し頭がぼんやりして、体がどんより重たいような、そんな不調を察しました。

気にせず仕事を続けていると、一旦はおさまったんですが、帰りの満員電車に乗っているときに、またおなじ症状に見舞われました。心臓の鼓動が大げさに鳴って、呼吸が乱れ、何かにせき立てられるような終始落ち着かない気分。途中で降りようかと迷いましたが、結局は無理やりに耐えて最寄り駅まで行きました。

住まいのマンションまで歩いていく最中も、通りすがりの人を妙に気にする不自然なかんじでした。なんとか自宅に着くと、ちょっと疲れているだけだろうと考えて、いつもより早めに就寝することにしました。 

だけどそれから何日か経っても、その症状はひどくなる一方で、仕事中も動悸がして苦しくなり、体が小刻みに震えてくる。気にしないように努めても駄目で、すぐにふらついてしまい、どこでもいいから腰を下ろして休みたくなるほどです。

そのうち私はまともに業務をこなせなくなっていきました。電車に乗ったり、街に出かけたりするのも億劫でした。

人の多い場所に足を運ぶと、まるで高山病にでもかかったような状態に陥ってしまうからです。 

そんな症状に悩まされる日々が一ヶ月近く続いて、ようやく私は精神科の門を叩きました。その前に内科の病院をいくつか回ったりもしましたが、肉体的にはとくに異常はみられませんでした。

精神科の先生から受けた診断は、不安障害によるパニック症状ということでした。主な原因としては、一般的に心理的・社会的要因がほとんどで、つまり生活環境が変わったり、仕事の影響によるストレスが関係してるのではないかという話でした。

そう言われて、私にはもちろん思い当たる節がありました。その時の職場に来てからというもの、日常的に強いストレスにさらされているのは明白でしたから。

だけどそれが仕事なんだからと割り切ってどうにかやりくりするうちに、周りの人たちと同じようにやるのが当たり前だと思い込むようになって、いつのまにか、実際に自分がどう感じているのかも無視するようになってしまったんです。

 私はそのことに気づいてから、すぐに転職を決意して、しばらく田舎に帰って休養をとったあと、自分に向いていると思えるような、新しい仕事に就きました。

その間にも治療のために通院しながら、徐々に行動範囲を広げていって、最終的には以前と同じような暮らしが営めるようになりました。 自立した大人の社会人となると、すべて自己責任で暮らしを確立していかなければならないから、無理をしてでも頑張ろうとしてしまう。

誰かがタイミングよく「大丈夫? 無理せずに、しばらく休んだほうがいいよ」と声をかけてくれることは稀なんです。だからこそ、いちばん大切なのはまず自分自身の心と体の健康を守ることなんだと知りました。当然といえば当然ですが、必死に働いているとその事を簡単に忘れてしまえるみたいです。

本当に辛いときには、自分で自分にストップをかけなければならないんですね。 快方に向かう上で重要だったのは、まず適した環境に身を置いて、あまり急いで自分に負荷をかけすぎず、ひとつひとつ徐々にハードルを上げていって、マイペースに課題をクリアしていくことでした。

それからいつ何時おなじ症状に見舞われても、決して落胆しないこと。今日はちょっとそういう感じになったりしたけど、まぁいいか、と納得しておくようにする。

そうやって自分をいろんなことに慣らしていくのがいいです。もしまた調子が悪くなったら、ゆっくり自分を労わってあげるようにすること。 私は現在そのようにして、ちゃんと自分の体調を気遣いながら、元気に毎日を送っています。

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